登山でやらかした10個の失敗【後編】

登山

前回、登山でやらかした10個の失敗のうち5個をお話しました。
今回の後編では残り5個についてお話していきます。

~前回記事~
登山でやらかした10個の失敗【前半】




無茶な計画

登山計画を立てていると、ここも行きたい、もう少し先まで行けるのではないか、と欲が出ることがあります。
それが行き過ぎて自分の体力を超えた計画になってしまうと予定時間をオーバーしたり疲れが取れなかったり、最悪の場合怪我にもつながります。
登山計画を立てるのに慣れてないうちは自分の体力と相談して無茶し過ぎない計画を立てることをお勧めします。
慣れてくればレベルを上げたり、挑戦という意味でも少しオーバーな計画を立てるのは大いに賛成です。
その場合はエスケープルートの確保など、無理だと思ったときに引き返したり近くの山小屋に泊まるなど、バックアップの代案を用意しておくとより安心できます。

失敗談

爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳縦走を1泊2日テント泊で計画しました。
扇沢からスタートし、1日目に上記3つの山を越えて五竜山荘に宿泊。
2日目に唐松岳に登って下山するという計画です。
この行程、普通はテント泊であれば2泊3日以上必要です。
しかも1日目めっちゃキツイです。
扇沢から五竜山荘への標準コースタイムはおよそ13時間半。
荷物の重いテント泊。
加えて、日本三大キレットのひとつである、八峰キレットという難所の通過など。

超疲れました(笑)

なんでこの行程行こうと思ったか疑問に思う(笑)

五竜山荘に着いたのは15時ぐらいで、テント場の空きもギリギリで斜面にテントを設営することになりました。
1日目で疲れてしまい、2日目は唐松岳を登るのをやめてそのまま下山してしまいました。

疲れはしましたが、1日目の行程をクリアできたという達成感、天候に恵まれ、道中や夕日朝日の絶景、2日目唐松岳をやめたことで朝時間に余裕があったのでゆったりコーヒータイム。
後悔は全くしていません(笑)

鹿島槍ヶ岳山頂への道

五竜山荘にて夕日

反省点

・自分の体力と相談して登山計画を立てる。
・計画時、荷物の重さも考慮する。
・多少無理をするチャレンジ登山をするときは非常時の代案を用意しておく。
・計画を立てたからと言って、それを達成しなければならないわけではない。その時の状況に応じて柔軟に行動できるほうが楽しめるときもある。

雨の日登山

雨が降った日の登山は危険が多いです。
身体が濡れて気持ち悪い、冷えて低体温症のリスクが高まる、視界が悪い、地面がぬかるみ滑りやすい、土砂崩れの危険、河川の増水・・・ぱっと思いつくだけでも恐ろしい物ばかりです。
それだけでなく、登山の最大のご褒美と言ってもいい景色がほぼ見れないです。
雨の日に登山してもあまりいいことはないので基本的には雨が降りそうなら中止にすべきです。
とはいえ、山は天気が変わりやすいので、晴れ予報でも雨が降る可能性があります。
レインウェアの持参など、雨予報は確実にしておきましょう。

失敗談

梅雨時期であまり登山に行けていなかった時の話です。
休みの日で天気予報が曇り時々雨という日がありました。
時間によっては雨が降る、という予報です。
本来なら登山に行くべきではない天気予報でした。
しかし登山に行きたいのに行けないというフラストレーションが溜まりに溜まっていたので、迷った挙句行くことにしました。

ここでやめておけばよかったんだけど・・・。

行った山というのが南アルプスの鳳凰三山。
標高2841mの山で、2000m程登らなければならない険しい山です。
晴れていればアルプスや富士山、オベリスクなど素敵な景色がこれでもかというほど拝める山ですが、その時の天気では見れるはずもありません。
いざ登り始めるとすぐに雨が降り出しました。
それも弱まるどことかどんどん強くなります。
急坂でキツイ、雨で気持ち悪い、天気も悪い、おまけに雨で皮膚が柔らかくなって靴擦れをしてしまい、一歩歩くごとに激痛。
登りの途中で断念して引き返しました。
今考えると何で登ったのか疑問すぎます。
当時の自分に、本当に危ないから行くんじゃねーよアホか!!と言ってやりたいです。
唯一、途中で引き返したのは良かったですが。
どうして楽しむための登山で拷問のようなことを自らするのか・・・謎が深まります(笑)

反省点

・雨が降りそうな予報の時は登山を控える。
・突然雨が降った時のためにレインウェア、ゲイター、ザックカバーなどは持参する。

テント場がいっぱい

テント場は山小屋泊に比べて予約不要な場合が多く、テントさえ持って行けば気軽に宿泊することができます。
(予約が必要なテント場もありますし、最近は新型コロナの影響で予約必要が増えていますので、必ず事前に確認してください。)
ただ予約の手間がない一方で、テント場の込み具合が分からないという問題があります。
ハイシーズンや人気のテント場だとテントを張る場所が埋まってしまい、斜面やデコボコの地面に張らなければならなかったり、最悪張れないという場合もあります。
ネットの口コミや体験談などでテント場の込み具合を事前に確認し、早い時間にテント場に到着したほうがいいのか、計画段階で検討しておいたほうが賢明です。

失敗談

10月、紅葉のハイシーズンに新潟の妙高山、火打山縦走をした時の話です。
1日目に火打山に近い高谷池ヒュッテのテント場に宿泊する計画をしていました。
その時は6人のグループ登山で、テントは5張持って行きました。
テント場はおよそ40張分のスペースとのことです。
事前に調べていると、そのテント場は人気であり紅葉シーズンは埋まってしまうとのことなので、早めに出発してAM9時頃高谷池ヒュッテに到着しテントを張る計画をしました。
当日予定通りAM9時頃にテント場に到着しました。
が、ほぼ埋まっていてテントを張るスペースがありません。
紅葉シーズンを甘く見ていました。

9時なのにテント場埋まるって、なんて過酷なテント場戦争(笑)

幸い、前の日に宿泊していたため撤収して帰るという人がタイミングよくいたので、少し待って張ることができました。
しかしスペースは少なく、ほかの登山者もまだまだ来るので、持って行った5張のうち3張のみ設営して一つのテントに2人寝ました。
張らなかったテントはただの重りでしたね(笑)

反省点

・予約なしのテント場にはなるべく早く到着するように計画する。特にハイシーズンは予想以上に混み合うため注意する。
・事前にネットなどで同時期に登山したレビューなどを調べておく。テント場の管理者に電話して混み具合を聞いておくのもあり。
・グループ登山の場合、持って行くテントをなるべく少なくする。

山小屋の予約ができていなかった

テント泊は予約がいらないことがありますが、山小屋泊の場合は多くの山小屋で事前予約が必要です(必要ない山小屋もあります)。
またコロナウイルスが流行ったことにより、事前予約必須の小屋や収容人数を減らす山小屋が増えています。
人気の山小屋だと満員で予約が取れないことが多々あります。
登る山が決まっていれば早めの予約をおすすめします。

失敗談

雪山で1泊2日の山小屋泊登山を計画しました。
事前予約が必要な山で、登山する日の1~2ヵ月程前にWEB予約をしました。
後程山小屋から返送メールが返ってきたのですが、来たなーと思っただけで内容をあまり確認せずに当日を迎えてしまいました。
いざ雪山登山開始。
氷点下の中登っていき、なんとか宿泊地点の山小屋に到着して「よし1日目終了!」と思った矢先です。
山小屋の人に予約して来たことを伝えたところ、「予約されていませんよ?」と言われてしまいました。
メールを確認すると、なんと”すでに満員で予約できませんでした”と書かれていたのです。
近くに泊まれる場所もない。テントや暖をとるものもない。
山小屋に到着に到着したときはすでに午後で、帰る時間もない。

・・・この雪で野宿?

なんとかして泊まれないかと山小屋の人に懇願し、部屋は用意できないけど雑魚寝でよければいいよと言ってくれました。
その後、当日キャンセルが出たので部屋を与えてもらい、なんとご飯まで恵んでもらい・・・人の温かさって心に沁みます。

山小屋のマスター神様だ・・・。

正直、そのような状況下では本当に死ぬので、山小屋側も追い返せないというのはあるでしょう。
ただあまりにも迷惑なので、予約が必要な山小屋ではきちんと事前予約し、予約できたことを確認したうえで登山しましょう。
また、体調不良や悪天候などで予約をキャンセルする場合は、電話などで山小屋に連絡を入れるようにしましょう。
電波が届かない場合は仕方がないですが、連絡を入れないと山小屋側は遭難を心配してしまいますので。

反省点

・予約の確認を必ずする。WEB予約だと予約したと思っても満員で予約とれていなかったということもある。
・非常時の用意をしておく。予定通りに行かなかったときのエスケープルートの確保や装備の充実、ツェルトなど非常時一日過ごせるための道具の持参など。

虫に刺された

当たり前ですが、山にはたくさんの虫がいます。
マムシやマダニ、ハチ、ヒルなど、人に有害な影響をもたらす虫も多いです。
登山する以上それらの虫と遭遇することは避けられないかもしれませんが、遭遇したときや刺された時に対処できるような用意をしておいたほうがいいですね。

失敗談

仲間がヒルに噛まれた話です。
ヒルは4月から11月ごろまで生息します。
その中でも夏の高温多湿の時期は最も活発に活動するようです。
9月のまだ暑く湿度が高い時期に神奈川県の丹沢山地の山に行きました。
丹沢はヒルが生息する山であり、場所によっては登山道中にヒル対策の塩が設置されています。
ヒルに噛まれた仲間の服装はタイツにハーフパンツ、それなりに厚めの靴下といった感じでした。
登山していて気づいたら足のくるぶし辺りから血が沁みているのです。
結局ヒルに噛まれていたのですが、本人は噛まれていたことに全く気付いていませんでした。
ヒルは血を吸った辺りの皮膚感覚を麻痺させるため、噛まれたことに気づき辛いようです。
少し噛まれていただけなので血は止まりましたが、靴下が血まみれになっていました・・・。

ヒルに嚙まれた痕

もう一つ、南アルプス深南部が好きで藪漕ぎもよくする仲間がマムシに噛まれて手術をしたようです。
本人曰く、藪漕ぎ中ではなく、おそらくザックか何かにマムシが付いていて、それをそのまま家に持って帰り、家で噛まれたと言っていました。
噛まれた部分は以上に腫れあがり、病院に行ったら即手術。
手術は部分麻酔で、腫れた部分の肉をそぎ落としたようです。
ザックに虫がついて家に持ち帰るなんてゾッとしますね・・・登山が終わったらまずはザックや服をはたいて虫や砂埃を落とすようにします。

反省点

・虫に刺されない対策、刺された時の対策を用意しておく。
・絆創膏など、救急セットは必ず常備する。
・服装を考慮する。ヒルの多い山に行くときは皮膚を出す格好はしない。
・登山後ザックや服をはたいて虫や砂埃を落とす。

終わりに

失敗はすればするほど成長するので、どんどん山に登って色々な失敗を経験すべきだと思っています。
そうすると登山に行く前の準備段階でいろいろなシチュエーションでき、準備対策できるようになりますので。
失敗したときは基本的に自分で何とかその状況を打破しないといけません。
そういった状況を冷静に、そして楽しんで対応できるといいですね。
打破できると様々な面で自信が付きますよ!

しかし、登山においてはひとつの失敗でケガや事故、最悪の場合命に関わることもあります。
滑落や遭難など命に関わることは絶対にしないように、またそうなってしまったときに生きていられるような事前準備だけは必ずしておきましょう。

それでは!




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